Equatorial Sky

銀河巡礼〜赤道の星空

URMAS SISASK:Starry Sky Cycle No.4    
Southern Sky Op.155

Piano:吉岡裕子 Yuko Yoshioka
2020年9月9日
YSOK -2003
CDBaby.Com/Indys

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Track List 

1. ほうおう座「動揺する蝶」
2. ろ座「色彩の神秘」
3. ちょうこくしつ座「眠れる美女」
4. ちょうこくぐ座「寺院への旅」
5. ぼうえんきょう座「優しいタッチ」
6. けんびきょう座「優しい応え」
7. ろくぶんぎ座「陽気な狼」
8. ポンプ座「強さを増して」
9. てんびん座「ティンタブルの触手」(蠍の口器)
10. さそり座「・・・威力」
11. おおかみ座「狼にとっての蝶」
12. やぎ座「うぬぼれ狼」
13. コップ座「クララの爪」
14. がか座「ちょっとロマンチックに
15. たて座「鋭い剣」(トッカータ)
16. みなみのうお座「孤独に漂って」
17. うお座「悟りを得て」(星空への賛歌)
18. らしんばん座「夢見る者の幻影」
19. じょうぎ座「クイッティ・フイッティ」(プレアデス星団の背後に息づく生命)
20. つる座「忍び寄る狼」
21. みなみのかんむり座「真珠の魔法」
22. いて座「さらなる未来へ」

(Total Playing Time 77:45)


制作:有限会社オアシス 
ディレクター:金森祥之 
レコーディング・エンジニア:飯嶋慶太郎 
マスタリング・エンジニア:田中三一 
技術協力:風間 萌 
使用ピアノ:ヤマハ C7 
調律:望月 治 
カバー写真:トゥンチ・テゼル 
写真:金森祥之 
レイアウト:千葉綾子  
解説・星図:吉岡裕子 
録音日:2020年3月27日、28日 

演奏者より

2020年3月8日は、《銀河巡礼》の最終曲集である「北極の星空」の日本初演が予定されていた日でした。ところが、新型コロナウイルス感染拡大による自粛が始まり、やむなく開催を断念することに・・。延期の日程も決められない中で、「今、できることは何か」と考えた末に行き着いたのが、今回の「赤道の星空」のレコーディングでした。

感染対策を徹底したうえで、3月27日、28日に録音を行いましたが、マスタリングは7月へとずれ込み、リリース日は9月9日とすることに決めました。9月9日は、ウルマス・シサスク氏の60歳の誕生日でもあります。

そして、この文章を書いている最中に、思いがけない素晴らしい知らせが届きました。彼と再会できることになったのです。2015年春の初来日以来、実に5年ぶり。この5年の間に、「赤道の星空」、「北極の星空」が完成し、この2020年9月9日より、エストニア国内各地にて、シサスク氏の還暦と《銀河巡礼》完結を祝う《銀河巡礼》全曲演奏シリーズがスタートすることに! 私はその中で「赤道の星空」を演奏するよう依頼を受けました。

この企画の発案者は、シサスク氏の親友であり、彼の多くのピアノ作品を初演してきたピアニスト、ラウリ・ヴァインマー(Lauri Väinmaa)氏です。シリーズのタイトルは TEEKOND UNIVERSMI SÜDAMESSE(宇宙の中心への旅) と名づけられました。

2005年にエストニア・ヤネダで初めて彼と出会ってからは早15年。「赤道の星空」を書いてくださったシサスク氏への感謝と敬意を込めて、このCDを、直接手渡しで贈りたいと思っています。

今回のアルバムは(有)オアシスさんのスタジオhome にてYAMAHA C7を使用し収録しました。マスタリングエンジニアは、この業界における神のような存在といわれる田中三一氏。光栄なことにマスタリングのみならず、収録までお世話になりました。

収録では田中氏自作による独自のマイクを使用。床面に設置した2つのマイクは全体のサウンドを、ピアノの近くの2つのマイクは細やかなタッチを捉え、クリアで豊かな響きがつくり出されました。スタジオというデッドな空間のため、このピアノの持つ自然な音の特徴を生かすようなリヴァーブをほんの少しだけミックス時に加えたとのことです。

マスタリングには私も立ち合わせていただき、シサスクの音楽について田中さんとディスカッションしながら音のイメージを膨らませました。最高級のスピーカーから聞こえてくるシサスクの音楽は宇宙に吸い込まれていくかのようで、この作品の素晴らしさを改めて実感できました。

ライナーノーツの執筆にはこれまでになく苦戦しました。しかしながら私は、《銀河巡礼》シリーズの中でこの作品だけに付けられた「狼と蝶」というサブタイトルについて、そして独特な構成について、分析を通して得られた知見をできるだけ残しておきたかったのです。限られた紙面では足りなかったのですが、知人の協力も得て、なんとか良いものになったと思います

ブックレットには解説、物語の要約のほか、この作品についての作曲者自身による紹介(英訳付き)、そして「南半球の星空」同様、赤道の星図も掲載しています。

ジャケット写真(表裏)にはトルコの写真家トゥンチ•テゼル Tunç Tezel 氏の素晴らしい写真をお借りしました。表の写真は南半球の太平洋、クック諸島最南端にあるマンガイアの星空です。いて座とさそり座に向かう天の川銀河の中心、αケンタウリとβケンタウリの明るい星、みなみじゅうじ座、およびコールサックの暗い星雲が写っています。

裏の写真はアイザノイ遺跡です。2世紀頃のローマの遺跡で、現在はトルコのアナトリア西部にあるチャブダルヒサール村に点在しています。ここにはカシオペヤ座からはくちょう座への天の川が写っています。

ブックレットの裏表紙には誰かさんが天体望遠鏡を覗く写真が(金森祥之氏撮影)、CD盤を外した面には、シサスク氏が書いてくれた「蝶」のテーマに繋がる小品の写真を載せています。

いろいろな角度から、作品を楽しんでいただけたら幸いです。